院長挨拶・病院紹介

―協力型臨床研修病院として、地域におけるプライマリ・ケア診療を学ぶ―

当研究所は1980年(昭和55年)に財団法人の研究所として認可されて以来、高齢者の健康寿命づくりを目標とし、ことに脳血管障害や心疾患の予防と治療の基礎的・臨床的研究を続け、その業績は平成24年までに12冊の業績集にまとめられ、本年4月より公益財団法人に移行認定を受けました。

附属病院は地域の人々の健康を保つための診療を開始し、30年を経過しました。

附属病院では脳神経外科は脳出血・くも膜下出血の治療に優れた血管内治療を行う診療科として国内有数の症例を誇り、内科は神経内科・循環器内科・消化器内科が地域の診療所と連携して、訪問診療・訪問看護等を積極的に取り組んでいますので、プライマリ・ケアを学ぶのには最も適しています。また地域に根ざした研究は、多くの人々の応援と研究があり、病理解剖も380例を超え、国内外の学会で発表が行われております。

附属病院にはこうした急性期の病棟の他に回復期病棟・療養病棟があり、老人保健施設・グループホーム・訪問看護ステーションが併設され、地域の人々の健康づくりに役立つ診療をしております。救急外来及び急性期病棟ではプライマリ・ケアを最も優先し、いつでもどこでも安全な医療を提供できるよう、努力を続けています。

私自身、日本プライマリ・ケア連合学会の役員であり、病院・老人保健施設・診療所は研修施設となっております。私達の病院の臨床研修は早期から外来診療・訪問診療・地域医療を学ぶことができ、広くプライマリ・ケアの診療能力を身に付けることができます。

さらに後期研修としては、手術例の多い脳神経外科や骨粗鬆症の研究や脊椎病変を専門とする整形外科、さらに神経難病まで取り扱う神経内科・麻酔科及びペインクリニックを身に付けることができ、そればかりでなく眼科や皮膚科の専門医たちが協力して幅広い研修を受けることができます。

当院の医師たちは、常勤医師は全員が研修指導医の資格を持ち、120名を超える看護師、50名のリハビリテーションを担当する理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、さらに10名の画像診断員、臨床検査技師、介護支援専門員が初期臨床研修の医師たちに総合診療・全人的な医療を学んで頂くために協力しております。充実した研修の日々を送り、十分な研究を行って頂きたいと思います。

公益財団法人老年病研究所附属病院 院長 高玉真光